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破産管材人の管財費用(引継予納金)を払えない場合どうなる?

(※画像はイメージです。本文の内容とは一切関係ありません。)

自己破産の申立を行うと、裁判官が「同時廃止」で処理するか「管財事件」として処理するか判断し、事件を振り分けることになります。

仮にこの場合、裁判官が「同時廃止」で処理すると判断した場合は、裁判官が破産手続きの「開始決定」を出すのと同時に「廃止決定」が出され、1か月ほど経過した後に「免責」の「許可決定」が出されて手続きが終了することになりますから、手続き的には申立書を出すだけで全ての手続きが終了することになります。

一方、裁判官が「管財事件」として処理することに決定した場合はそうはいきません。

「管財事件」に振り分けられた場合には、裁判所が選任する「破産管財人(裁判所の管財人名簿に掲載されている弁護士が就任します)」が申立人の資産や負債を調査し、資産がある場合には債権者への配当などを行った後でなければ「廃止決定」が出されないからです。

通常、管財人の調査や配当手続きに最短でも半年から1年の期間を擁することになりますから、手続きが終わるまでの期間も「同時廃止」の場合より相当程度長くなるのが通常ですし、資産調査や債権者への説明(債権者説明会の実施)等、面倒な手続きも増えてしまうのが実情です。

ところで、このように破産手続きが「管財事件」として処理される場合には、裁判所から選任される破産管財人によって調査や資産の換価・配当手続きが実施されるわけですが、破産管財人もタダではその作業をしてくれませんので当然ながら破産管財人に支払わなければならない報酬が発生することになります。

その費用は「引継ぎ予納金」とか「管財費用」などと一般に呼ばれますが、多くの裁判所ではその管財費用(引継予納金)の金額を20万円に設定してます。

(※事件を破産管財人に引き継いでもらうことになるため「引継予納金」と呼ばれたりします)

もちろん、事件の内容が複雑だったり、個人事業主や会社代表者の自己破産の場合には30万円~50万円程度まで跳ね上がることがありますが、一般的な個人の自己破産では破産管財人の費用は20万円とされているようです。

しかし、ここで問題となるなのは、自己破産の申し立てをする人がそのような20万円(場合によっては30万円から50万円)もの大金を用意することができるのか、という点です。

お金がないから借り入れをして払えなくなって自己破産を申して立てているわけですから、「管財事件にするから管財費用の20万円を支払え」といわれても、多くの人がそうそう簡単にそのような大金を払えるはずがないでしょう。

では、裁判所から管財費用(引継予納金)として20万円の納付を求められた場合において、その納付ができない場合、その自己破産の手続きはどのようになってしまうのでしょうか?

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裁判所から数か月間の積み立てを指示される

前述したように、自己破産の手続きが管財事件として処理される場合は裁判所から最低でも20万円の管財費用(引継予納金)の納付を求められるわけですが、その納付ができない場合は、裁判所から数か月間の猶予が与えられるのが一般的です。

裁判所によってその細かい扱いは異なりますが、一般的には裁判所で開かれる審問の際に3カ月程度の期間をおいて申立人に管財費用(引継予納金)の積み立てを命じ、その20万円(正確にはこれに官報公告費用と切手代の合計2万円程度がプラスされます)程度の管財費用(引継予納金)が確保された段階で裁判所に納めさせる裁判所が多いと思います。

このような場合、管財費用(引継予納金)の納付がなされるまでの数か月間は自己破産の申立は裁判所で保留状態に置かれることになり、管財費用(引継予納金)の納付がなされた時点で裁判所が手続きの「開始決定」を出して自己破産の手続きが進行することになります。

なお、この管財費用(引継予納金)の積み立ては、申立人本人が毎月貯金して20万円貯まった時点で自己破産を依頼している弁護士や司法書士に送金しても良いですが、通常はその依頼を受けている弁護士や司法書士の方で事務所の口座に毎月一定額を送金させるよう指示し、その積立額が20万円に達した時点で裁判所に納付することになろうかと思われます。

積立期間内に積立が間に合わない場合は?

以上のように、管財費用(引継予納金)の納付が困難な場合には、裁判所で行われる審問の際にその旨を裁判官に申告することで数か月間の猶予期間が与えられるのが通常です。

3か月程度の猶予期間に積み立てが間に合わない場合に裁判所がどうするかという点が問題となりますが、申立人を保護する必要性もあるため、ある程度積み立てができているようであれば更に1~2か月程度期間が伸長されることになるのではないかと思います。

裁判所から積み立てを命じられた場合は2か月程度経過した時点で裁判所の書記官から「積み立ての状況はどうですか?」と電話が入るのが通常ですので、その時点である程度積み立てがなされているのであればその金額に応じて1~2か月程度猶予期間が伸長されるのではないかと思います。

それでも積み立てができない場合はどうなる?

なお、以上のように管財費用(引継予納金)の納付が困難なため3か月程度の猶予期間が与えられ、その猶予期間に積み立てが出来なかったことから更に積立期間が延長された場合において、それでもなお管財費用(引継予納金)の積み立てができない場合にどうなるかというと、おそらく自己破産の申立を取り下げるよう求められるのではないかと思います。

この点、自己破産の申立人が裁判所の予納金を納められない場合には、裁判所の判断で国庫(税金)からその費用を支払うことも可能ですから(破産法第23条1項)、裁判官の判断で管財費用(引継予納金)を国庫から支弁するよう取り計らってくれるのではないかと考えられないこともありません。

【破産法第23条第1項】

裁判所は、申立人の資力、破産財団となるべき財産の状況その他の事情を考慮して、申立人及び利害関係人の利益の保護のため特に必要と認めるときは、破産手続の費用を仮に国庫から支弁することができる。職権で破産手続開始の決定をした場合も、同様とする。

しかし、裁判官がその案件を「管財事件」にすると判断しているということは、申立書に記載された申立人の資産状況や仕事による収入など十分に精査して「この人なら20万円の予納金を納めることができる」と判断した結果でしょうから、どうしても管財費用(引継予納金)の納付ができないということは特段の事情がない限り考えられないと思われます。

ですから、例えば病気や怪我で働けなくなったとかやむを得ない事情があれば別ですが、そうでもない限り「なんで納められないの?」「返済がストップして半年以上たってるんだからあなたの収入だったら収められるでしょ?」というのが裁判官の本音だと思いますので、国庫による支弁はなされないのではないかと思います。

ですので、数か月間の猶予期間を与えられても管財費用(引継予納金)の納付が出来ない場合には「予納金を納める収入があるのに納めない」と判断されて、事実上、申立ての取り下げを命じられるのではないかと思います。

※申し立てを却下されてしまうと、その後7年以内の再度の申し立てが免責不許可事由となってしまう可能性があるので、裁判所は申立の取り下げを打診して来るのではないかと思います。

▶ 自己破産に回数制限はあるのか?

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