債務整理をすると保証人や連帯保証人もブラックリストに載る?

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借金の返済が困難になった場合には、早めに弁護士や司法書士に相談して債務整理の手続きに速やかに着手してもらうことが必要です。

なぜなら、借金トラブルは虫歯と同じで放置してもよくなることはないからです。

(まあ、時効によって債務が消滅してしまう可能性はありますが…)

もっとも、とはいっても借金の返済が困難になった時点で何も考えずにただ漫然と弁護士や司法書士に相談してもよいというわけではありません。

自分の借金に保証人や連帯保証人が付けられている場合には、その保証人や連帯保証人になってくれている人に対して、「これから弁護士や司法書士に債務整理を依頼する」ということを伝えて十分に理解を求めてもらう必要があります。

なぜなら、保証人や連帯保証人になってくれている人に何も言わずに弁護士や司法書士に債務整理を依頼してしまうと、その保証人や連帯保証人になってくれている人が、いわゆるブラックリストに掲載されたり、悪くすれば自己破産しなければならなくなる可能性も否定できないからです。

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弁護士や司法書士に債務整理を依頼すると保証人や連帯保証人に「一括請求」がなされる

保証人や連帯保証人が付いている借金について弁護士や司法書士に債務整理を依頼すると、その借金の保証人や連帯保証人に対して残債務の一括請求がなされることになります。

たとえば、毎月3万円返済するという約定で100万円を借り入れ、10か月返済したところで弁護士や司法書士に債務整理に依頼したとすれば、仮にその契約に保証人や連帯保証人が付けられている場合には、保証人や連帯保証人に対して借金残額の70万円が一括請求されることになります(※わかりやすくするために利息は省いています)。

この場合、「3万円ずつの分割で弁済してるんだったら保証人や連帯保証人に対しても毎月3万円ずつ請求が来るだけじゃないの?」と思う人もいるかもしれませんがそうはなりません。

なぜなら、主たる債務者が弁護士や司法書士に債務整理を依頼し、弁護士や司法書士事務所から受任通知(※「これから債務整理を開始しますよ」という旨の記載された通知書)が金融機関に送付された時点で「返済の停止」が確定し、金銭消費貸借の契約上それまで「分割払い」で返済することが認められていた「期限の利益」が失われてしまうからです。

借金は本来、返済期限までに一括して借り入れた全額を返済するのが原則ですが、それでは返済が事実上困難になるため特に「分割弁済」を認めて「一定の期限内に分割弁済額を支払うことで全額支払いの義務を猶予する」というのが一般的なローンの仕組みです。

このような分割弁済によって支払いに猶予を与えることが「期限の利益」と呼ばれますが、その「期限の利益」が債権者与えられているのはあくまでも「債務者本人(主たる債務者)」だけであって、保証人や連帯保証人にはその「期限の利益」は与えられていません。

そのため、主たる債務者が返済を停止し、弁護士や司法書士に依頼して債務整理を開始した時点でその主たる債務者に与えられた「期限の利益」は喪失されてしまいますから、残された保証人や連帯保証人には借金残額の「一括請求」がなされてしまうのです。

保証人や連帯保証人がある日突然「一括請求」を受けてしまうと返済できるお金でも返済できなくなってしまう

前述したように、主たる債務者が返済を停止し弁護士や司法書士に依頼して債務整理を開始すれば、その時点で「期限の利益」を喪失することになりますから、その借金に保証人や連帯保証人が付けられている場合には、その保証人や連帯保証人になってくれている人のところに借金残高の全額が一括して請求されることになります。

しかしこれは、保証人や連帯保証人になってくれている人にとっては大変な脅威となります。

ある程度の準備期間を与えられたうえで「一括請求」がなされるのであれば、事前に他の金融機関から融資を受けるなり、資産を処分するなりして「一括請求」にこたえることも可能かもしれません。

しかし、事前に何の連絡もなく、ある日突然「あなたは○○さんの保証人(連帯保証人)になってますよね?」「○○さんが債務整理を開始して返済を停止したんで残りの借金を全額すぐに支払ってもらえますか?」などと請求されてしまっては、よほどの資産家でもない限り返済に応じることはできないでしょう。

だからこそ、先にも述べたように、自分の借金に保証人や連帯保証人が付けられている場合には、その保証人や連帯保証人になってくれている人に対して、「これから弁護士や司法書士に債務整理を依頼する」ということを伝えて十分に理解を求めてもらう必要があるのです。

事前に保証人や連帯保証人になってくれている人に対して「もう返済できないから債務整理をします」ということをある程度余裕をもって伝えておけば、保証人や連帯保証人になってくれている人においても何らかの対処ができる場合もあるので、なるべく早めにそうなることを伝えておかなければならないのです。

保証人や連帯保証人が「一括返済」できない場合は保証人や連帯保証人も信用情報機関に事故情報として登録されてしまう

もし仮に、債務整理することを余裕をもって保証人や連帯保証人になってくれている人に対して伝えていなかった場合には、ある日突然陥ってしまった保証人や連帯保証人は、その「支払わなければならないお金」を「延滞」してしまうのは避けられないかもしれません。

なぜなら、先ほども述べたように、よほどの資産家でもない限り一括して借金の全額を支払うことなどできないからです。

この点、このような「支払いの延滞」は信用情報では「事故」として扱われますから、そのような「一括請求」に対して保証人や連帯保証人になってくれた人が支払いに窮してしまう場合には、その保証人や連帯保証人になってくれている人の「延滞情報」が「JICC」「CIC」「全国銀行協会」といった信用情報機関に「事故情報」として登録されることになります(※いわゆる「ブラックリストに載る」ということ)。

もちろん、その保証人や連帯保証人になってくれている人が、一括請求をしてきている債権者との間で改めて「分割弁済」の協議を行い、一括請求された主たる債務者が借り入れた借金を分割で支払っていくということも可能ですが、それはもう「保証人(連帯保証人)」と「債権者」の間で「任意整理」の和解が成立したということと同じですので、その場合であっても「任意整理をした」という「事故情報」が信用情報機関に登録されてしまうのは避けられません。

保証人や連帯保証人が一括返済できないと、その時点で信用情報機関に事故情報として登録されてしまいますが、仮にその後に主たる債務者が債権者との間で分割弁済の和解を結んだとしても、それは単に保証人や連帯保証人と債権者の間で任意整理が行われたということにすぎませんから、保証人や連帯保証人の事故情報が信用情報機関に登録されてしまうという事実は変わらないのです。

保証人や連帯保証人の不利益を最小限に抑えるためには極力早く保証人や連帯保証人になってくれている人に事情を説明しておくしかない

以上で説明したように、保証人や連帯保証人の付いた借金について弁護士や司法書士に依頼して債務整理を開始する場合には、その保証人や連帯保証人になってくれている人に対して多大な不利益を生じさせる結果となることは避けられません。

ですから、もしもそのような借金があり、その返済に窮しているというのであれば、ただ漫然と返済を続けていくのではなく、なるべく早めに保証人や連帯保証人になってくれている人に「このままでは遅かれ早かれ債務整理を開始することになって一括請求が来ると思うから、それなりの準備をしておいてください」と伝えておくことが大変重要となります。

これをしておかないと、先に述べたようにある日突然、保証人や連帯保証人になってくれている人のもとに債権者から「一括請求」がなされることになり、事前準備のできていない保証人や連帯保証人の人が支払いができず「延滞」状態に陥って、信用情報機関に事故情報として登録されたり、悪くするとその保証人や連帯保証人になってくれている人自身が自己破産などの手続きを用いて処理しなければならなくなってしまうでしょう。

せっかく保証人や連帯保証人になってくれた人にそのような不利益を及ぼしてしまうのは「恩を仇で返す」のと同じであって、極力避けるべきことであると思いますから、返済が厳しくなった時点で速やかに保証人や連帯保証人になってくれた人に事情を説明し、理解を求めておくことが必要なのです。

最後に

このように、保証人や連帯保証人が付いている借金を債務整理で処理する場合には、その保証人や連帯保証人になってくれている人においても重大な不利益が発生する場合があるため、事前によく保証人や連帯保証人になってくれている人に事情を説明しておくことは極めて重要です。

どうしても保証人や連帯保証人になってくれている人に事情を説明するのに差し支えがあるような場合(たとえば、債務整理をすることを伝えると怒られたり絶縁されたりしそうだとかいう場合)には、早めに弁護士や司法書士に相談し、その債務整理を依頼する弁護士や司法書士の協力を得て保証人や連帯保証人になってくれている人に事情を説明して理解を求めるなど、誠実な対処が求められるといえるでしょう。