自己破産すると戸籍や住民票、運転免許証に記載される?

借金の返済が不能になった場合には、裁判所に自己破産の申立を行うことによって全ての借金の返済を免除してもらうことが可能です。

しかし、借金の返済を免除してもらうということは、裏を返せば本来支払わなければならない債務を支払わず、借金をいわば「踏み倒す」ということに他なりませんから、債権者に多大な経済的損失を与えることになるのが現実です。

そのため、自己破産をした場合には、一定の不利益を受けることも甘受しなければなりません。

具体的には、信用情報機関に事故情報として一定期間登録されることにより新たな借り入れが制限されることになりますし、官報で自己破産者として住所と名前が公表されてしまうことも避けることはできないでしょう。

ところで、自己破産を検討している人の中には、自己破産すると戸籍や住民票、運転免許証などにその旨が記載されてしまうのではないか、と不安になる人も少なからずいるようです。

自己破産すると信用情報機関に登録され、官報で名前と住所が公開されることになりますから、それに関連して戸籍や住民票、運転免許証にも記載されてしまうのではないか、と考えてしまう人がいるのは仕方がないのかもしれません。

では、自己破産をすると本当に戸籍や住民票、運転免許証などに自己破産の事実が記載されてしまうのでしょうか?

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自己破産の事実は戸籍や住民票、免許証などには記載されない

前述したように、自己破産すると戸籍や住民票、運転免許証などに自己破産した事実を記載されてしまうのではないかと不安になる人も少なからずいるようですが、そのようなことは一切ありません。都市伝説です。

前述したように、自己破産をしたという事実は官報に公告され、信用情報機関に一定期間登録されることになりますが、それ以外の方法・手段で外部に公表されることはありません。

そもそも「戸籍」は出生から死亡までの家族関係を記録するものであり、「住民票」の基となる住民基本台帳は現在の住所に居住する住居の世帯情報を記録するものであって、自己破産という裁判所の手続結果について記録するためのものではありません。

また、運転免許証は自動車の運転資格を証明するものであり、車の運転に自己破産の有無はまったく関係ありませんし、そもそも運転免許証に自己破産の有無を記載する欄は設けられていないでしょう。

このように、戸籍や住民票、免許証といった公的書類は、自己破産の手続きとは全く関係がないものとなりますので、自己破産の有無が記載されることは一切ないのです。