親の自己破産は子どもの就職に影響するか?

就職を控えた子供のいる家庭の「親」が自己破産する場合に意外と気になるのが、親が自己破産した場合に子どもの就職に影響は出ないのか、といった点です。

自己破産する人の原因は様々ですが、一般論的にいえば金銭管理能力に何らかの問題があった場合が多くありますので、「金銭管理能力に問題のある親に育てられた子」というレッテルを張られて就職が不利になるのではないかという心配がどうしても生じてしまうのでしょう。

では、実際問題として、「親」が自己破産すると「子」の就職に影響が生じてしまうものなのでしょうか?

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親の自己破産がこの就職に影響することはない

結論からいうと、親が自己破産したからと言って子供の就職に影響することは一切ありません。

なぜなら、親が自己破産したとしても、それが就職希望先の企業に知られてしまうことはまず考えられないからです(※自己破産したことは官報で公告されますが、就職希望者の親が自己破産したかを官報でチェックしている会社はまずありません)。

この点、就職面接の際に、面接官から親が過去に自己破産してことがないか聞かれる可能性がないわけではありませんが、そもそも事業主が採用面接の際に本人に責任のない事項などを質問することは就職差別に該当する恐れがあるため、厚生労働省の指針で禁止されていますから(労働省告示第141号平成11年11月17日)、面接官が「君の両親に自己破産した人がいますか?」と質問すること自体が厚生労働省の告示に違反する問題のある質問といえます。

▶ 公正な採用選考の基本|厚生労働省

また、仮にそのような質問を受けた場合には「うちの親は自己破産していません」と嘘を申告したとしても、その質問自体が本人に関する事項ではないため「経歴詐称」にはあたりませんので隠そうと思えばいくらでも隠せるでしょう。

それに、そもそもそのような差別的な事項を何ら問題意識を持たずに質問すること自体、その会社の倫理観に問題があることが推測することができるのであって、そのようなブラック企業に就職したとしてもロクなことにならないのは明らかですから、早々にそのような会社は見限って別の会社の面接に行った方がはるかにマシでしょう。

ですから、「自己破産すると子どもの就職に影響する」というのはまったくの”都市伝説”に過ぎませんのでそのような心配をすることは時間の無駄でしかないといえます。