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「自己破産」と「夜逃げ」はどちらが得か?

ごくまれに「自己破産するぐらいだったら夜逃げした方がマシだ」と言う人がいるようです。

このような人はおそらく、自己破産の申し立てをすることで裁判所に財産を取り上げられたり、手続きを依頼する弁護士や司法書士に高額な報酬を支払うことが、金銭的な面で考えて「損」になることに納得ができないから、自己破産することを拒否しているのだと思われます。

しかし、果たしてそれば正しい結論と言えるのでしょうか?

確かに「夜逃げ」してしまえば借金の取り立てから「タダで」逃れることができますから、経済的に考えれば断然「お得」な結果を得ることができると思います。

しかし、その「夜逃げ」した後の生活のことを考えると、自己破産する場合と比較してとうてい「経済的に得をする」ということがありえないのがわかります。

では、「夜逃げ」すると具体的にどのような「損」をすることがあるのでしょうか。

ここでは、自己破産せずに「夜逃げ」した場合に具体的にどのようなデメリットが生じうるのか、という点について考えてみることにいたしましょう。

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住民登録を移せない

自己破産せずに「夜逃げ」する場合は当然、住民登録も移動できないことになります。

住民票上の住民登録を「夜逃げ先」に移してしまえば、住民登録を調べることで新しい住所が知られてしまいますから「夜逃げ」する場合は住民票上の住所は従前の住所地に残したままで”居所”だけを異動させざるを得ないのが実情でしょう。

そうなると当然、「夜逃げ先」では健康保険も年金もその手続きができないことになります。

社会保障は住民登録上の住所を基準として手続きが行われますから、住民登録を移せないとその利益を受けることができないからです。

健康保険や年金、その他の社会保障を一切受けられなくなるとすれば、その後の生活はどうなるでしょうか?

通常であれば得られるはずの社会保障をすべて自分の資金で賄わなければならないとしたら、「夜逃げした後」に必要となるお金は相当な金額になることが容易に想定できるでしょう。

ローンも組めない

「夜逃げ」してしまうと、その後一切ローンや分割払いを利用することができなくなるという点も問題です。

自己破産した場合も当然、信用情報機関に5年程度(銀行からの借り入れについては10年)事故情報として登録されることになりますから、その信用情報の登録期間については新たにローンを組んだり借り入れをすることはできなくなります(いわゆる「ブラックリストに載る」ということ)。

しかし、その登録機関が終了して事故情報が抹消されれば「過去に自己破産した」という事実は信用情報から消滅してしまうわけですから、自己破産した場合であっても「5年から10年」が経過すれば、従前どおり新たなローンを組んだり借り入れを起こすことも問題なくできることになります。

一方、「夜逃げ」した場合はそうはいきません。

「夜逃げ」した場合は、先にも述べたように住民登録を移動することができないわけですから、何年経とうが新しくクレジットカードを作ったりローンを組む際に行われる審査で落とされることになるからです。

現在の居所に住民登録のない「住所不定」の人間にお金を貸すバカな金融機関はありませんから、「夜逃げ」した場合は何年たっても新たな借り入れやローンを組むことはできなくなるわけです。

このように、「夜逃げ」した場合にはその後何年経ってもローンや新たな借り入れができないというデメリットがあることは十分に認識しておくべきでしょう。

まともな会社で働くこともできない

「夜逃げ」した場合には、まともな会社で働くこともできなくなるという点も十分に認識しておくべきでしょう。

先ほども述べたように、「夜逃げ」した場合には住民登録上の住所も移せなくなるわけですから、そうなると「夜逃げした先」で新しく仕事を始めようとしてもまともな会社では雇ってもらえないことになります。

普通の会社は、正社員を採用するのであれば健康保険、厚生年金など、バイトやパートでも雇用保険や所得税などの手続きのため住民票上の住所を確認するのが当然ですから(ふつうは住民票の提出を求められるはずです)、「夜逃げ」して新しい居所で住民票の発行を受けられないとなると、まともな会社に就職することは相当難しいのでが現実でしょう。

そうなると当然、「夜逃げした」場合は健康保険や雇用保険、所得税の申告などうやむやのまま処理するような「怪しい会社」でしか雇ってもらえないことになります。

そういう会社では従業員の利益など無視して仕事をさせることになりますから、労働基準法や労働安全衛生法などは守られないまま過酷な労働を強いられることも甘受しなければならないことになるでしょう。

仮に会社が法律に違反した状態で働かせられていたとしても、住民登録がないのであれば「本来は存在していない」のと同じですので、労働基準監督署や労働局に相談に行くことすらできなくなってしまいます。

そうなると、もし仮に労災などでけがや病気になった場合には、通常であれば受けられるはずであった労災保険や障害者年金なども受けられなくなってしまう可能性もありますので、まともな開さで働くことができないこと自体が大きなリスクとなってしまいます。

「夜逃げ」するということは、このようにまともな会社で働くことができなくなるということを意味しますので、そういった負の側面も十分に考えるべきではないかと思います。

子供の学校はどうするのか

「夜逃げ」する場合には、「子供の学校はどうするのか」という点も考えなければなりません。

先にも述べたように「夜逃げ」する場合は住民登録上の住所を移すことができませんから、子供を連れて夜逃げする場合はその子供の住民票上の住所も移転することができないことになります。

そうなると「夜逃げ先」で子どもを学校に通わせようと思っても、その手続き自体がうまくできないことになり、子供を小学校や中学校に入学させることができなくなってしまうでしょう。

もちろん、単身者が夜逃げする分には問題ないかもしれませんが、子供とともに「夜逃げ」するのであれば、そういった学校の手続きはどうするのかという点も十分に考えてあげる必要があります。

「夜逃げ」して一時的に借金の督促から逃れられるとしても、そのために子供から就学の機会を奪ってしまうことが許されるものでないことは肝に銘じておくべきでしょう。

最後に

以上のように、「夜逃げ」することで一時的に借金から逃れられるとしても、長いスパンで見れば社会保障やその他の「夜逃げせずに自己破産しておけば受けられるであろう利益」をすべて受けられないデメリットの方がはるかに大きいわけですから、「夜逃げ」することは全く言いのないことであるのがわかります。

もちろん「夜逃げ」すれば弁護士や司法書士に支払うはずの自己破産費用を支払わなくてよいわけですが、自己破産に必要になる費用と言っても20万円前後であって、仮に破産管財人が選任されたとしても50万円程度にしかならないはずです。

その20万円から最大でも50万円をケチって「夜逃げ」したとしても、その後に受ける不利益は到底その金額では収まらないと思いますので、「夜逃げ」しようと思っている人はその点を十分に考えて今後の身の振り方を決定すべきではないかと思います。

自己破産費用/報酬の支払い
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