闇金の行う貸付は、年率で数百から数千パーセントの利息を伴うものですので、いったん借りたが最後、どんなに返済を継続したとしても完済することはできません。
仮に闇金が言うとおりの法外な金利を返済できたとしても、なんだかんだの理由を付けて「完済していない」と暴力的な言動で返済を継続させるのが闇金の手口ですから、いったん闇金を利用したが最後、その闇金が逮捕されるまで闇金からの請求と嫌がらせに怯えて生きていかなければならないことが確定してしまうので、絶対に闇金と関係を持ってはならないのです。
もっとも、そうはいっても闇金と取引してしまう弱い人がいるのが現実ですから、闇金を利用してトラブルに巻き込まれてしまっている人の救済も必要となります。
その場合は当然、弁護士や司法書士が闇金トラブルに悩む人から依頼を受けて闇金と対峙することになりますが、弁護士や司法書士が介入したからと言って闇金トラブルが簡単に解決するわけでもありません。
なぜなら、『闇金からお金を借りてはいけない本当の理由』や『弁護士に依頼すれば闇金も簡単に解決すると思い込んでいる君へ』のページでも解説しているように、全体の2割程度の闇金は、弁護士や司法書士が介入したことお構いなしに、本人への請求や嫌がらせを継続してしまうからです。
もちろん、そういう闇金に対しては闇金が利用する銀行口座を凍結させたり、闇金が使用する携帯電話を強制解約したりして闇金が活動できないように追い込んでいくのですが、いくら弁護士や司法書士がそういう対抗手段を講じても手を引かない闇金はいますので、そういった闇金が相手の場合には、弁護士や司法書士が介入しても闇金事件はすぐには解決しないわけです。
そういった「何をやっても手を引かない闇金」が相手の場合には、弁護士や司法書士が介入しても依頼人本人への請求や、隣近所や勤務先に対する嫌がらせも継続されることになります。
そうすると、依頼人は当然、闇金の処理を依頼した弁護士や司法書士に対して「闇金からまた電話が来たんで何とか言ってやってくださいよ」と対処を求めることになるのですが、闇金から電話や嫌がらせが来る都度、弁護士や司法書士に警告電話を入れてもらうのは得策とは言えません。
むしろ、弁護士や司法書士から闇金に警告電話を入れてもらうこと自体が、闇金とのトラブルを長期化させ、闇金トラブルの解決を困難にしてしまう原因になるとさえ言えます。
なぜなら、、闇金から依頼人に対して直接請求が行われたり、隣近所や勤務先に嫌がらせの電話が入った都度、依頼している弁護士や司法書士から闇金に対して「本人に電話するな!」と警告電話を入れてもらうこと自体が、闇金側にとって「期待通りのレスポンス」となっているからです。
弁護士や司法書士が闇金に何度も警告電話を入れれば入れるほど闇金を喜ばせることになる
前述したように「何をやっても手を引かない闇金」が相手の場合には、弁護士や司法書士が介入した後であっても闇金は本人への請求であったり隣近所や勤務先に対する嫌がらせ電話を止めることはありません。
ではなぜ、闇金が高い電話代を使っても執拗に本人や関係各所への嫌がらせ電話を止めないかというと、そういった嫌がらせ電話を受けて迷惑を感じた本人が音を上げてお金を払うことで手打ちの交渉をしてくることを期待しているからです。
闇金側としては、執拗に本人への請求や関係先への嫌がらせを継続することで、本人が「怖がった」り「もうこれ以上嫌がらせを受けたくない」と感じる状況に追い込み、介入している弁護士や司法書士を介して「お金を払うからもうこれ以上嫌がらせ電話を止めてくれ」という形の交渉の打診をしてくるのを待っているわけです。
そうすると、闇金から請求や嫌がらせの電話が来る都度、弁護士や司法書士から闇金に「本人に電話するな!」とか「勤務先に電話を入れるな!」といった警告電話を入れてもらうこと自体が闇金側を歓喜させる結果となってしまいます。
なぜなら、先にも述べたように、闇金側が執拗に本人や関係各所への電話を継続するのは「本人を困らせる」ためであり、困らせた本人から「お金を払わせる」ことにあるからです。
闇金側としては、執拗に請求や嫌がらせの電話を入れることで「本人が困っている」という状況を作り出せれば「お金を払わせることができる」という最終目標により近づくことになりますから、「本人が困っている」状況を裏付けることになる「弁護士や司法書士からの警告電話」が来れば来るほど「嫌がらせの効果が出ている」と認識することになります。
ですから「弁護士や司法書士からの警告電話」が入れば入るほど、闇金側は活気づくわけです。
弁護士や司法書士から闇金に電話を入れれば入れるほど闇金の嫌がらせが長引くことになる
闇金としては、弁護士や司法書士から「本人に電話するな!」とか「勤務先に電話を入れるな!」といった警告電話が入れば入るほど、「本人が相当嫌がってる」「もっと電話したら本人が音を上げて手打ちの交渉をしてくるな」と考えるので、更に本人への請求や関係先への嫌がらせ電話を続けることになります。
もちろん、闇金から執拗な請求や関係先への嫌がらせ電話を受けている依頼人本人が、依頼している弁護士や司法書士に対して闇金への警告電話を入れるよう求める気持ちは分かります。
依頼人本人としては闇金からの電話は恐怖と迷惑以外ないのですから当然、弁護士や司法書士に対処を求めることになるでしょう。
しかし、『闇金からお金を借りてはいけない本当の理由』や『弁護士に依頼すれば闇金も簡単に解決すると思い込んでいる君へ』のページでも解説しているように、弁護士や司法書士から闇金に対して「本人に電話するな!」とか「勤務先に電話を入れるな!」といった警告電話を入れて電話をしなくなるのは全体の6割~8割程度であって、残りの2割~4割程度の闇金は「嫌がらせをすればお金を払う」と考えて執拗に請求や嫌がらせを止めないのが通常ですから、そういった「何をやっても手を引かない闇金」が相手の場合には、弁護士や司法書士から警告電話を何度入れてもらったとしても嫌がらせが止むことはありません。
それどころか、弁護士や司法書士から警告電話を入れること自体が「闇金に対して依頼人本人が嫌がっていること」を認識させる結果につながりますので、弁護士や司法書士から警告電話を入れれば入れるほど、闇金側の本人への請求や関係先への嫌がらせ電話はエスカレートすることになるでしょう。
このように、依頼人本人が闇金から請求や関係先への嫌がらせを受けた都度、弁護士や司法書士から警告電話を入れてもらうのは「意味がない」ばかりか闇金側の嫌がらせを「さらに助長する」ことになりますので、弁護士や司法書士から警告電話を入れてもらうこと自体が闇金トラブルの解決を長引かせるという逆の結果につながることになります。
闇金への最善の対処は「無視」以外にない
以上のように、闇金トラブルを弁護士や司法書士に依頼した依頼者本人が、闇金からの請求や嫌がらせの電話を受けたその都度、依頼している弁護士や司法書士に頼んで闇金に警告電話を入れてもらいたくなる気持ちも分からなくはありませんが、そうやって警告電話を入れてもらえばもらうほど、依頼人本人の希望とは反対に、闇金側の請求や関係先への嫌がらせ電話は酷くなり、長期化することになります。
ではどうすればよいかと言うと、闇金からの請求や嫌がらせがあった場合には、その旨を依頼している弁護士や司法書士に伝えて、闇金が使用している「預金口座を凍結」させる手続きを取ったり、闇金が使用している「携帯電話を強制解約」の手続きを行って闇金の行動を少しずつ狭めていくしか方法はありません。
(※具体的には→闇金が利用している携帯電話を強制的に解約させてしまう方法)
闇金が闇金業を営めるのは顧客との金銭のやり取りに使う「預金口座」と、顧客との連絡に使う「携帯電話」の2つのツールを使えるからであって、その2つのツールがなければ本人への請求や嫌がらせをしようにもすることができなくなるでしょう。
ですから、闇金から請求や嫌がらせがあった場合には、弁護士や司法書士に警告電話を入れてもらうのではなく、闇金が使用している「預金口座を凍結」させたり、闇金が使用している「携帯電話を強制解約」させたりして、あとはひたすら闇金の請求や嫌がらせを「無視」するのが一番効果的な闇金への対処法といえます。
最終的には闇金との我慢比べ
以上で説明したように、闇金からの請求や嫌がらせの電話があったとしても、その都度弁護士や司法書士に警告電話を入れてもらうことは逆効果であって闇金を喜ばせるだけであり、逆に闇金のさらなる請求や嫌がらせを助長することにつながります。
ですから、最終的には闇金からの請求や嫌がらせは「無視」するしかないのが現実で、「無視」するのに耐えられない場合は「電話番号を変更」したり「引っ越し」したり「転職」するしかないのが実情です。
また、弁護士や司法書士に闇金の処理を依頼した場合であっても、最終的には闇金が「口座の凍結」や「携帯電話の強制解約」などで行動不能に陥って嫌がらせを止めたり、警察に逮捕されたりするまで待つか、それとも依頼人本人が闇金の嫌がらせに負けて「お金を払う手打ちの交渉を弁護士や司法書士に頼むか」までの「我慢比べ」になるのが実情ですので、その「我慢比べ」に負けるようであると、闇金にいくばくかの金を払って「手打ち」にするしかないことになるでしょう。
このように、闇金の処理は弁護士や司法書士に依頼すれば必ず解決するといえるものの、その解決のためには依頼人本人の「我慢」も必要となります。
その「我慢」をするためには、闇金からの暴言を伴う請求や関係先への嫌がらせに長期間耐えなければならないこともあり得ますので、「いざとなったら弁護士や司法書士に相談すればいい」などと考えて、安易に闇金から借り入れをしないよう注意しなければならないといえるでしょう。