闇金を依頼したら弁護士や司法書士はいつまで対応してくれる?

闇金は法外な利息を顧客から巻き上げることを目的とする犯罪者集団にすぎませんから、どんなにお金に困った場合であっても闇金を利用することは避けなければなりません。

そして、やむにやまれぬ事情で闇金から借り入れをしてしまった場合であっても、闇金の言いなりに利息を払い続けるのではなく、すぐに弁護士や司法書士に相談し、法的に適切な処理をしてもらうことが肝要になります。

もっとも、ここで疑問が生じるのが、弁護士や司法書士に闇金トラブルを相談した場合に、「いったいいつまで弁護士や司法書士は面倒を見てくれるのか」という点です。

闇金からお金を借りてはいけない本当の理由』や『弁護士に依頼すれば闇金も簡単に解決すると思い込んでいる君へ』のページにも書いていますが、10件の闇金がいればそのうち2件前後の闇金は弁護士や司法書士がしたところで本人への請求や嫌がらせを止めることはないのが闇金処理の現場の実情です。

闇金は、「闇金という行為が悪いこと」を「悪い」と認識したうえで顧客に対して違法な貸し付けを行っているわけですから、その「悪いこと」を認識している犯罪者集団に対して「闇金は法律に違反するんだから止めなさい!」と言ったところで無意味です。「違法だから止めろ!」と言って改心するぐらいなら、そもそも闇金なんてやっていないからです。

もちろん、10件中8件程度の闇金は弁護士や司法書士が介入すれば「わかりました。今後は本人に請求しないようにします」と手を引いてくれますが、残りの2割程度の闇金は弁護士や司法書士がどんなに手を尽くしても本人への請求や嫌がらせを止めないのが現実なのです。

仮にそういった「何をやっても手を引かない」ような闇金から借り入れをしてしまった場合には、弁護士や司法書士にその闇金トラブルを依頼したとしても闇金からの直接的な督促や勤務先・隣近所などへの嫌がらせ行為も止まないことになります。

このような場合、依頼を受けた弁護士や司法書士は「闇金の利用する口座の凍結」や「闇金の利用する携帯電話の強制解約」、「警察署への被害届の提出」などを行って対処することになりますが、それでも本人への請求や嫌がらせを止めない闇金とのトラブルは延々と続くことになるのです。

そうすると、その「何をやっても手を引かない闇金」とのトラブルは弁護士や司法書士に相談した後も「延々と」続くことになりますから、その「延々と続く闇金とのトラブル」に対していったい「いつまで弁護士や司法書士が対応をしてくれるのか」、という点に疑問が生じてくるのです。

では、実際の闇金処理の現場では、依頼人から闇金トラブルの依頼を受けた弁護士や司法書士は、いったいいつまでその闇金とのトラブルに対処してくれるのでしょうか?

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弁護士や司法書士は「半永久的に」面倒を見てくれるのが通常

結論からいうと、闇金とのトラブルを弁護士や司法書士に依頼した場合には、その闇金とのトラブルが解消されるまで…つまりその闇金からの請求や嫌がらせが「完全になくなるまで」対応してくれるのが通常です。

そもそも、最高裁の判例でも「闇金には利息だけでなく借入した元本も返さなくてよい」という趣旨の判断がなされていますから(最高裁平成20年6月10日)、闇金からの請求や督促は「法的」にも「契約的」にも何の根拠もないことに「架空請求」にすぎません。

ですから、弁護士や司法書士が「闇金に関するトラブル」の依頼受けるということは、「闇金からの”架空請求”を受けなくする」ことが最終的な目的となりますので、闇金からの請求や嫌がらせが止まない場合には、その「請求や嫌がらせがなくなるまで」永遠に弁護士や司法書士の仕事は終わらないことになります。

そのため、弁護士や司法書士が依頼人から「闇金の処理」の依頼を受けた場合は「半永久的に」…極端にいうと、闇金の請求や嫌がらせが止まない場合は、その依頼を受けた弁護士や司法書士が「死ぬまで」永遠にその弁護士や司法書士に「闇金の請求や嫌がらせを止めさせるよう対応してください」と求めることができることになるのです。

ただし、依頼人も弁護士や司法書士に協力してある程度の不利益を甘受しなければならないのは当然

前述したように、闇金の処理は「闇金からの請求や嫌がらせが止むまで」永遠に終わらないことになりますから、弁護士や司法書士に「闇金トラブル」の処理を依頼した場合は、その闇金からの請求や嫌がらせがなくなるまで「半永久的に」弁護士や司法書士に対応を求めることが可能です。

もっとも、だからといって闇金の処理を依頼した依頼人が「弁護士や司法書士に何の協力もしないまま」ただ単に「闇金からの請求や嫌がらせを止めさせてくださいよ」と弁護士や司法書士に要求してよいかと言うと、そうでもありません。

なぜなら、先ほども述べたように、「何をやっても手を引かない闇金」は全体の2割ほど存在するのが実情なのですから、そういった闇金が相手の場合は弁護士や司法書士が何をやっても手を引かないため、依頼人本人がある程度「闇金からの請求や嫌がらせを回避する努力」を甘受しなければ解決しないからです。

これはなにも、「闇金の請求通りにお金を支払え」と言っているのではありません。

「何をやっても手を引かない闇金」に対しては、弁護士や司法書士が「何をやっても手を引かない」のが現実なのですから、そういった闇金が相手の場合には「依頼人本人が嫌がらせを受けている携帯電話の番号を変更」したり、隣近所や勤務先にい嫌がらせの電話を受けている場合には、「自分から隣近所や勤務先に事情を説明して理解を求めること」も必要になるということです。

先ほども述べたように、闇金が10件あったとするとそのうちの2~3件の闇金は、依頼を受けた弁護士や司法書士が「闇金の利用する銀行口座」を凍結させたり、「闇金の利用する携帯電話」そ強制解約させたり、「警察に届け出て捜査を促す」行動をとったとしても、「請求や嫌がらせを止めない闇金」が含まれていますから、そういった「何をやっても手を引かない闇金」が相手の場合は、弁護士や司法書士が何をやろうと本人への請求や嫌がらせを止めめることはありません。

このように言うと「その弁護士や司法書士の交渉力がないからだろ!」と反論する人がいますが、それは間違っています。

闇金からお金を借りてはいけない本当の理由』や『弁護士に依頼すれば闇金も簡単に解決すると思い込んでいる君へ』のページにも書いていますが「何をやっても手を引かない闇金」は単に損得勘定のできない「バカ」な人間なのですから、そのバカな人間に対していくら理路整然と理詰めで「これ以上本人に請求や嫌がらせをしても1円もとれませんよ、これ以上請求や嫌がらせをしても警察に逮捕されるだけですよ」と交渉したとしても、バカな相手がそれを理解できるわけがないからです。

食卓の上に置かれたパンに群がるゴキブリに「これ以上パンに群がると殺虫剤をかけますよ」「もう十分食べたんだから外に出ていきなさいよ」と説得してもゴキブリが家の外に出ないのと同じです。

「パンを食べたい」という欲求を抑えられないゴキブリは「この食卓でパンを食べる」という”利益”と「これ以上食べると殺虫剤で殺される」ことの”損”との損得勘定ができませんからパンに群がることを止めません。

それと同じでバカな闇金に対してはどんなに交渉力があり、どんなに口が達者な弁護士や司法書士がいたとしても、請求や嫌がらせを止めさせることはできないのです。

そういう「何をやっても手を引かない闇金」が相手の場合には、最終的には「その闇金が諦めて手を引く」か、「警察が重い腰を上げて捜査を開始しその闇金が逮捕される」まで、延々と闇金とのトラブルは続くことになります。

ですから、もしも「闇金が諦め」たり「闇金が逮捕」されるまで我慢できないと思う場合は、依頼人本人が「ケータイの電話番号」を変更したり、嫌がらせを受けている「隣近所や職場に事情を説明」して理解を求めたり、それが嫌なら「引っ越し」たり「転職」したりして自ら能動的に具体的な対処を取らなければ、闇金のトラブルを解消することはできないということになるのです。

それも嫌だというのであれば、依頼人本人が依頼している弁護士や司法書士に「闇金が請求してるお金を払いますから話をつけてください」と頼んで、闇金の請求する通りの金額の示談金を支払うことで弁護士や司法書士が闇金と”手打ち”の交渉をして終わらせるしかないでしょう。

(※何をやっても手を引かない闇金は「貸付元金だけは返せ!」と言ってくるだけで「利息も含めて全額支払え!」と言ってくる闇金はほぼいないので「借入元本」を支払うなら「何をやっても手を引かない闇金」であってもほとんどの闇金はあっさり手を引いてくれます)

このように、闇金の一部は弁護士や司法書士が「何をやっても手を引かない」のはどうしようもない事実なのですから、そういった闇金が相手の場合は、いくら弁護士や司法書士が「半永久的に」対処してくれるとはいっても、弁護士や司法書士の力だけでは解決しないのが実情です。

そういった闇金が相手の場合には、依頼人本人においても何らかの不利益を受けることは甘受して、携帯の番号を変えるなり、引っ越すなり転職するなどして自ら闇金の嫌がらせから回避する努力をしなければならないといえるのです。

最後に

以上のように、闇金のトラブルに関しては弁護士や司法書士に依頼すれば「半永久的に」対処してくれるのが普通ですが、闇金の中には弁護士や司法書士が介入してやれることをすべてやっても手を引かない闇金がいるのが実情です。

ですから、そういった闇金が相手の場合には弁護士や司法書士に対処を「丸投げ」しても闇金からの請求や嫌がらせがなくなることは「半永久的に」ありませんから、そういったケースでは依頼人自らも不利益を甘受して闇金に対処する努力が必要になることは十分に理解しなければならないといえるでしょう。