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自己破産で公共料金(電気・ガス・NHK受信料)も免責される?

自己破産した場合に意外と気になるのが、電気やガスなどの公共料金の滞納分や、NHKの受信料の滞納分についてはどのような扱いを受けるのか、という点です。

借金の返済に追われている人は電機やガス、NHK受信料なども未納や滞納が膨れ上がってしまうことが多くありますので、これら公共料金の未納・滞納分も自己破産で免責(借金の返済が免除されること)が受けられるのか、それとも公共料金の未納・滞納分については免責の対象とならず自己破産の手続きが終了した後もその未納・滞納分を支払わなければならないのか、といった点は非常に重要な事項といえます。

では、実際に自己破産の手続きでは電気やガス、NHKの受信料といった公共料金はどのように扱われるのでしょうか?

自己破産をすれば、それまでに未納・滞納になっている電気やガス、NHKの受信料についても支払いを免除してもらうことができるのでしょうか?

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電気料金は免責されるか?

電気料金の未納・滞納分については、他の負債と同様に考えて差し支えありませんので、自己破産申立書の債権者一覧表(債権者名簿)に「債権者」として電力会社を、「債務額(債権額)」としてその電気料金の未納・滞納となっている金額をそれぞれ記載して提出すれば、裁判所から出される「免責許可決定」によってその未納・滞納分の全額の支払いが免除されることになります。

なお、電気料金の未納・滞納分を自己破産の手続きで免責の対象とて申立てをして場合に、「電気の供給を止められてしまうのではないか?」という不安や「自己破産の申立をした後の電気料金はどうなるのか?」という疑問を持つ人もいるかもしれませんので、以下その点について若干解説しておくことにします。

(1)電気の供給を止められてしまうか?

前述したように、電気料金の未納・滞納分を自己破産の手続きに含めて申立を行い免責の対象となった場合には、自己破産の申立を行うまでに発生した電気料金の未納・滞納分は全てその支払いが免除されることになります。

この点、電力会社からすると自己破産の手続きによって未納・滞納分の支払いが受けられなくなってしまうわけですから「電気料金の未納・滞納分を支払わない人に電気を使わせる必要はない」と判断されて電気の供給が止められてしまうのではないか、という不安が生じます。

しかし、その心配はいりません。なぜなら、電力の使用という契約は「電気を送電する」という電力会社と「使用した電力分の使用料を支払う」という使用者の間で結ばれる”双務契約”という性質を有していますが、この双務契約については、自己破産の申し立て「前」にその双務契約の一方の弁済がないことを理由に、他方が自己破産の申し立て「後」においてその契約上の履行を止めることは法律で禁止されているからです(破産法第55条1項)。

【破産法第55条1項】

破産者に対して継続的給付の義務を負う双務契約の相手方は、破産手続開始の申立て前の給付に係る破産債権について弁済がないことを理由としては、破産手続開始後は、その義務の履行を拒むことができない

つまり、電気を使用するという契約は、電力会社は「電気を契約者の家庭に送電しなければならない」という義務があり、顧客である電気の使用者は「電気料金を支払わなければならない」という義務を持つことになるわけですが、その顧客である電気の使用者が自己破産したことによって自己破産の申し立て「前」に発生した電気料金の未納・滞納分を支払わなくても良くなった場合であっても、そのような「自己破産の申立前」に発生した事情を理由に、電力会社が「電気を送電しなければならない」という義務を履行しないということは認められないということです。

ですから、自己破産することによって申立前の電気料金の未納・滞納分の支払いを免除(免責)されたとしても、それを理由にその後の電気の供給を止められてしまうということは無いものと考えられます。

もっとも、電気料金の未納・滞納分が少額の場合には自己破産の申立前にその未納滞納分を全額支払ってしまい、未納・滞納分が無い状態にして自己破産の申立を行うことも多くありますので、実際には自己破産を依頼する弁護士や司法書士の助言に従って対処することになろうかと思います。

(2)自己破産の申し立て「後」の電気料金はどうなるか?

前述したように、、電気料金の未納・滞納分を自己破産の手続きに含めて申立を行い免責の対象となった場合には、自己破産の申立を行うまでに発生した電気料金の未納・滞納分は全てその支払いが免除されることになります。

この点、自己破産の申し立てをした「後」に発生する電気料金はどのような扱いを受けるかが問題となりますが、自己破産の申立「後」に発生する電気料金については、すべて契約どおり支払わなければなりません。

なぜなら、自己破産の「開始決定が出された後」に生じる双務契約の給付(この場合は電力の送電)にかかる請求権(この場合は電気料金の請求)についてはそもそも自己破産の手続きから切り離して考えられるため、通常の契約どおり支払わなければなりませんし、自己破産の「申立てをした後から開始決定が出されるまで」に生じる請求権については財団債権(自己破産の手続きで優先的に弁済を受けられる債権)として処理されるため「自己破産の申立後、開始決定が出される前」に発生する電気料金は申立人がその都度支払う必要があるからです(破産法第55条1項)。

【破産法第55条2項】

前項の双務契約の相手方が破産手続開始の申立て後破産手続開始前にした給付に係る請求権(一定期間ごとに債権額を算定すべき継続的給付については、申立ての日の属する期間内の給付に係る請求権を含む。)は、財団債権とする。

ですから、自己破産の「申立前」に発生した電気料金の未納・滞納分については自己破産の手続きで免責が出されればその支払いが免除されることになりますが、「申立後」に発生する電気料金は、通常どおりその全額をその都度支払うことが求められるといえます。

ガス料金は免責されるか?

ガス料金の未納・滞納分についての考え方も、前述した電気料金の場合と全く同じです。

自己破産の「申立前」に発生したガス料金の未納・滞納分については、自己破産の申立書にガス会社を「債権者」として、未納・滞納分のガス料金を「債務額(債権額)」として挙げておけば、自己破産の手続きで免責が出される限りその支払いが免除されることになりますが、「申立後」に発生するガス料金は、通常どおりその全額をその都度支払うことが求められるといえます。

なお、自己破産の手続きによってガス料金の未納・滞納分の免責を受けた場合にガスの供給をストップされるかという点についても前述した電気料金の場合と同様に考えて差し支えありませんので、法律上はガス料金の未納・滞納分について自己破産で免責を受けたとしても、そのガスの供給が止められることはないといえます。

NHKの受信料は免責されるか?

NHKの受信料の未納・滞納分についても、上記で説明した電気料金やガス料金の場合と全く同様に考えて差し支えありません。

NHKの受信料も他の債務と同様に自己破産の申立書の債権者一覧表(債権者名簿)に、NHKを債権者として、未納・滞納分の受信料を「債務額(債権額)」と記載して裁判所に提出すれば、裁判所から免責が出された時点でその未納・滞納分の支払いが全て免除されることになります。

(1)自己破産すると電波の供給を止められてしまうか?

自己破産の手続きで受信料の免責を受けた場合、NHK側が電波を停止する可能性があるかという点が問題になりますが、この点も基本的に前述した電気料金の場合と全く同じように考えて差し支えありません。

もっとも、地上波の場合はスクランブルがかけられているわけではありませんから、NHKの側で電波を止めるということはあり得ないのでその心配自体そもそも不要でしょう。

BS放送の場合はスクランブルがかけられているためNHK側が腹いせにスクランブルを外さない可能性もあるかもしれませんが、前述したように双務契約については自己破産の申し立て「前」にその双務契約の一方の弁済がないことを理由に他方が自己破産の申し立て「後」においてその契約上の履行を止めることは法律で禁止されていますから(破産法第55条1項)、NHKの受信契約も双務契約である以上、BS放送の受信料の未納・滞納分を自己破産で免責を受けたとしてもNHKの側でスクランブルを外さないことはできない(滞納した受信料について自己破産の免責を受けてもBS放送を視聴することができる)ものと考えられます。

(2)自己破産の申し立て「後」の受信料はどうなるか?

自己破産の申立を行った「後」に発生する受信料はどのように扱われるかという点も前述した電気料金の場合と全く同じと考えて差し支えありません。

自己破産の「申立前」に発生した受信料の未納・滞納分については自己破産の手続きで免責が出されればその支払いが免除されることになりますが、「申立後」に発生する受信料は、通常どおりその全額をその都度支払うことが求められるといえます。

自己破産
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