自己破産をすると信用情報機関に事故情報として登録されることになりますので、その事故情報が登録されている期間(5年~10年)については新しい借り入れを起こしたり、クレジットカードを作ることが難しくなります。
信用情報機関に事故情報として登録されている間は、金融機関で融資の申し込みをしたりクレジットカードの申込みをしたとしても、その金融機関が加盟している信用情報機関に照会を行うことによって過去に自己破産をしている事実が知られてしまうことになるからです。
過去に自己破産したということは「過去に借金を踏み倒したことがある」ということになりますから、融資やクレジットカードの交付を行っても貸付金の回収が出来なくなるリスクが高いと判断されるため、審査で落とされてしまうことになるのです。
このように、自己破産した場合に信用情報機関に事故情報として登録されることに関連して問題となるのが、自己破産した場合には携帯電話の機種変更ができなくなってしまうのではないかという点です。
携帯電話の機種変更を行う場合にも、携帯会社の方で「審査」が行われることがありますから、その際に過去に自己破産していることがバレてしまい機種変更ができなくなるのではないかという疑問が生じてしまうからです。
では、過去に自己破産している事実がある場合、携帯電話の機種変更ができないことが実際に有り得るのでしょうか?
変更する機種の購入代金を一括で支払っていない場合には機種変更ができない場合がある
結論からいうと、携帯の機種変更をする際に、その機種代金を一括で支払わずに分割で支払うことにした場合には、機種変更が断られることになるのが通常です。
なぜなら、機種代金を分割払いにした場合、その機種代金は携帯会社(dokomo,au,softbank等)の提携するクレジット会社が立て替えることになりますので、そのクレジット会社における審査の際に信用情報機関に登録された過去の自己破産の情報が照会されてしまうからです。
過去の自己破産の事実がクレジット会社に知られてしまえば、クレジット会社はリスク回避のために携帯の機種代金の立替に関する審査を通さないことになりますから、立替え依頼のあった携帯会社に対して「融資不可」の連絡を入れることになります。
そうすると、携帯会社としても機種代金の立替を受けられないということになりますので、携帯の機種変更自体が拒否されるという結果になるのです。
なお、ここで注意すべきなのは、このクレジット会社の審査が行われるのは携帯の機種代金そのものを分割払いにする場合だけでなく、携帯会社の提示する契約プランによって”携帯の機種代金相当額”の通話料や通信料等が値引きないし割引されるような契約になっている場合も含まれるという点です。
このように”携帯の機種代金相当額”の通話料や通信料等が値引きないし割引されるような契約プランでは、その「携帯の機種代金」と同額の通話料・通信料が一定期間値引きされることによってその機種変更で購入する「携帯の機種代金」は「実質0円」ということになっていますが、これは「携帯の機種代金」が「0円」なのではなく、その期間は「通話料や通信料」がサービスされて「無料」になるだけにすぎません。
したがって、このように「携帯の機種代金」が「実質0円」であっても、その形態の機種代金についてはクレジット会社に立替払いの申込みが行われることになりますから、このような契約プランであったとしても、クレジット会社の審査で過去の自己破産の記録が照会されることにかわりありません。
ですから、携帯会社の契約プランに拘わらず、携帯の機種変更の際に「その変更する携帯の機種代金を一括で支払っていない場合」には、クレジット会社の審査が下りない結果、機種変更も拒否されるということになるということができます。
機種の代金を一括で支払う場合や、中古販売店で購入した機種に機種変更する場合は機種変更できる
以上のように、携帯の機種変更をする場合に「その変更する携帯の機種代金を一括で支払っていない場合」には、クレジット会社の審査が下りない結果、機種変更も拒否されるということになります。
これを防ぐには、携帯の機種変更をする際にその機種代金を一括で全額支払うか、もしくは事前にリサイクルショップやオークションなどで中古のスマホ等を購入しておき、その事前に購入した中古のスマホ等を携帯キャリアのショップや代理店(dokomo,au,softbank等のショップや代理店)に持参して機種変更の手続きを行うしかありません。
こうすれば、携帯の機種代金が分割払いになることもありませんから、携帯会社からクレジット会社に立替の申込みが行われることもなく信用情報機関に照会がなされることもありませんから、過去に自己破産したということは全く問題にならないでしょう。
最後に
以上のように、携帯の機種代金を一括で支払わなかった場合には、携帯会社からクレジット会社に立替払いの申込みが行われることにより携帯の機種変更ができなくなる場合があります。
ですから、過去に自己破産した経験がある人が機種変更を拒否された場合には、上記のようなケースで審査が下りないことが予想されますので、携帯の機種代金を一括で支払うだけのお金を貯めてから機種変更を行うか、中古のスマホ等を購入して携帯会社では「機種の変更そのもの」だけを行うなどして対処するしかないのではないかと思われます。