任意整理とは、債権者との間で債務の減額や利息のカット、利息の再計算によっても残ってしまう残債務について原則3年以内の分割弁済について協議を行う債務整理手続きの一種をいいます。
この任意整理の手続きは、自己破産や個人再生、特定調停といった他の債務整理手続きと同様、弁護士や司法書士に依頼せず、自分自身で行うことも可能ですが、債権者との交渉には法律の専門的な知識が必要な事から、弁護士や司法書士に依頼して代理人となって交渉してもらうのが一般的です。
ところで、弁護士や司法書士に任意整理を依頼する場合には、依頼をしたい弁護士や司法書士の事務所に出向くか、遠距離の場合は電話やメールなどを利用してまず最初に相談を受けてもらう必要がありますが、その際に用意しなければならないものは何かあるのでしょうか?
身分証明書と印鑑があればよい
結論からいうと、任意整理を弁護士や司法書士に依頼する際は身分証明書と印鑑があれば足り、他に必要なものはありません。
任意整理を弁護士や司法書士に依頼した場合、「氏名」と「生年月日」と「住所」さえ分かれば債権者の側で該当者の過去の取引を検索することができますので、身分証さえあれば債権者における契約者の特定は容易です。
そのため、任意整理を依頼する段階では契約書や請求書といったたぐいの書類は特に必要ないのです(※もちろん無いよりはあった方が良いですが…)。
なお、印鑑は弁護士や司法書士と契約するときに取り交わす契約書に押印する際に使用しますし、身分証は弁護士や司法書士の側で依頼人の本人確認を取ることが法律で義務付けられているため、持参する事か必ず求められます。
弁護士や司法書士によっては他の書類等の持参を求められることもある
前述したように、弁護士や司法書士に任意整理を依頼する場合に用意が必要となるのは身分証明書と印鑑ぐらいしかありません。
もちろん、債権者との間で裁判になったり自己破産や個人再生の手続きに移行する場合には他の書類も必要となりますが、依頼をする時点では身分証明書と印鑑があれば足りるのが通常です。
もっとも、弁護士や司法書士の事務所によっては他の書類を持参するよう要請される場合も有りますので、任意整理を依頼する弁護士や司法書士から特定の書類等を持参するよう求められた場合には、素直に応じるようにしなければならないでしょう。