弁護士に依頼すれば闇金も簡単に解決すると思い込んでいる君へ

闇金から借り入れを行うことは厳に慎むべきですが、已むに已まれず手を出してしまったという人も中にはいると思います。

そのような場合、弁護士や司法書士に相談して代わりにしてもらうほかありませんが、闇金がやっていることはしょせん犯罪行為ですから、弁護士や司法書士に相談し適切な対処をしてもらえれば必ず解決するものです。

しかし、「必ず解決する」とはいっても闇金業者とのトラブルは電話一本で簡単に解決するものではなく(電話一本で簡単に解決する場合も有りますが…)、それなりに面倒なことが起こることは覚悟しなければなりません。

なぜなら、弁護士や司法書士に依頼すれば簡単に処理してもらえると思っている人は多いようですが、実際の現場では本人が何も不利益を受けずに解決できるケースはそれほど多くないからです。

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弁護士や司法書士に依頼しても請求や嫌がらせが止まない場合もある

誤解している人が多いようですが、弁護士や司法書士に依頼すればすぐに闇金からの請求や嫌がらせが100%止むかというと必ずしもそうではありません。

なぜなら、闇金は自分たちが経済的に損をしている場合には、弁護士や司法書士が介入ていようといまいと、執拗に督促や嫌がらせを続けるのが通常だからです。

たしかに、弁護士や司法書士に依頼して弁護士または司法書士から闇金に電話してもらえば、闇金10人のうち5~6人はすぐに手を引くでしょう。

しかし、何もこれは闇金が弁護士や司法書士を恐れて請求を止めているのではなく、貸し付けた貸金元本よりも既に多くの利息の弁済を受け取っていて、すぐに手を引いても損をしないからです。

闇金から借り入れをするほとんどの人は、已むに已まれず闇金から借り入れて闇金への恐怖から無理をして返済を繰り返し、それが行き詰まった段階で弁護士や司法書士に相談するのが一般的です。

弁護士や司法書士に闇金トラブルを相談するほとんどの人は、相談する時点で既に闇金に対して複数回弁済を行っているのが通常ですから、その時点で計算すればほどんどの場合闇金から借り入れた借入元本以上の返済をしています。

そうすると、闇金としては弁護士や司法書士から貸付元本の返済を拒否されたとしても、既にその回収できなくなった貸付元本以上に利息としてお金を回収できていることになりますから、その時点で弁護士や司法書士の言うとおりに督促や嫌がらせを止めてもまったく不利益は受けません。

むしろ、弁護士や司法書士が介入した後も欲を張って本人に請求の電話を入れたり勤務先や親類に嫌がらせの電話を入れてしまった結果、弁護士や司法書士から報復として銀行口座を凍結されたり、携帯電話を強制解約されたり、警察に被害届を出されることを考えれば、脅しても一円も支払わない弁護士や司法書士と無駄な電話を続けるより、さっさと電話を切って他の顧客に催促の電話を入れる方がよほど効率的に利益を上げることができるでしょう。

ですから、費用対効果を考えることができるそこそこ利口な闇金は、弁護士や司法書士から介入の電話を受けた段階ですぐに貸し付けた貸付元金とそれまでに送金された弁済金とを差し引き計算し、貸し付けた元金より少しでも利益が出ているのであればあっさり手を引いてしまうことが多いのです。

しかし、そうでない場合には闇金も手を引きません。

弁護士や司法書士から電話が来た時点で顧客に渡した貸付元本に満たない弁済金しか受け取っていない場合には、闇金は損をしていることになります。

そのような場合には、たとえ弁護士や司法書士が介入したとしても「そんなのかんけぇねー」状態になり、弁護士や司法書士が何を言っても本人への請求をやめませんし、勤務先や親類等への嫌がらせを続ける場合が多いのです。

また、損得勘定のできない馬鹿な闇金が相手の場合にも、弁護士や司法書士が介入してもなかなか手を引かない場合があります。

前述したように、貸付元本より多くの返済を受け取っている場合には弁護士や司法書士が介入した時点で手を引く方が圧倒的に効率的なのですが、費用対効果の観念が欠落したバカな闇金は損得勘定ができないため弁護士や司法書士が介入しても「金返せ」の一点張りで請求を止めないのです。

ですから、仮に弁護士や司法書士が介入した時点で借入元本を超える返済をしている場合であっても、相手方の闇金がバカなヤミ金であった場合には、弁護士や司法書士が介入した後も請求や嫌がらせが止まないことがあるのです。

なお、この点については「闇金からお金を借りてはいけない本当の理由」のページで詳細に論じていますので興味のある方はそちらをご覧ください。

請求を続ける闇金を100%抑えられる方法はない

闇金からお金を借りてはいけない本当の理由」のページでも詳しく解説していますが、最高裁の判例でヤミ金に対しては利息だけでなく貸付元本についても一切返済する必要はないと判断されていますので、弁護士や司法書士が介入した場合にはそれ以降一切弁済しないのが通常です。

しかし、前述したように闇金が貸付元金に達しない弁済しか受けていない場合には、たとえ弁護士や司法書士が介入したとしても、闇金は少なくとも貸付元金分の弁済を受けない限り手を引かない場合が多いのが現実です。

このような場合、依頼を受けた弁護士や司法書士は、闇金が利用している銀行口座を凍結させたり、闇金が利用している携帯電話を強制解約させたり、警察に被害届を出したりして対抗することになります。

しかし、そのような対処を取ったとしても、請求や嫌がらせを止めない闇金は少なからずいますから、そのような闇金を相手にしてしまった場合には、弁護士や司法書士がいくら口座を凍結させ、携帯電話を解約し、警察の捜査を促したとしても、本人への請求や勤務先等への嫌がらせを止めさせることはできないのです。

特に、090金融など所在のつかめない場所で顧客に電話を掛けまくっているような闇金は、それぐらいの対抗策を取ったとしても警察が本腰を入れて捜査しないことをいいことに、貸付元本の回収ができるまで執拗に嫌がらせを継続することが多くあります。

どこにいるかわからない闇金の嫌がらせ電話を強制的に辞めさせる手段はありませんから、このような場合には、たとえ弁護士や司法書士が「請求を止めろ」とか「嫌がらせをするな」と警告しても闇金は引き下がらないのです。

もちろん、CIAに依頼して工作員を派遣してもらい闇金の携帯電話をハックして使えないようにするとか、米軍から海兵隊の特殊部隊を送り込んでもらい闇金が電話を掛ける瞬間に突入させて携帯を持つ手を抑え込むこむとかしてもらえれば闇金の嫌がらせを止めさせることも不可能ではないでしょう。

しかし、某国の大統領とよほどのパイプがない限り無理でしょうから、常識的に考えれば闇金からの請求を100%抑える方法は存在しないといえるのです。

ヤミ金が手を引くかは最終的には我慢比べ

前述したように、闇金の処理を弁護士や司法書士に依頼して介入してもらったとしても、請求や嫌がらせを止めない闇金は一定数いるのが現実であり、それを100%抑える方法は存在しませんから、最終的には闇金と闇金から借り入れをした本人の我慢比べになります。

執拗に請求や嫌がらせを繰り返す闇金に対しては、弁護士や司法書士から「口座の凍結」や「携帯電話の強制解約」「警察への被害届と捜査の要請」などの対処を取ってもらい、あとは闇金からの嫌がらせに耐えるほかありませんから、結果としてそれらの対処に闇金側が音を上げるか、闇金の嫌がらせに本人が耐えられなくなるか、どちらが早いかという話になってしまいます。

闇金は勤務先や親類などの連絡先も把握しているでしょうから、あらかじめ勤務先や親類、友人や場合によっては近所の人に事情を説明し、理解をしてもらうよう努力することも必要でしょう。

そうして、警察が捜査を開始して闇金が逮捕されるのを待つか、闇金があきらめて嫌がらせを止めるのを待つかするしかないのです。

もちろん、闇金の請求に応じて貸付元本相当額を支払って「手打ち」にするという裏技を使うこともできますが、それができない場合には闇金との我慢比べになるのです。

弁護士や司法書士に依頼すれば簡単に解決すると思うのは大間違い

以上のように、請求や嫌がらせをしない闇金に対しては最終的にヤミ金との我慢比べになりますから、弁護士や司法書士に依頼した場合であってもある程度の不利益(勤務先や親類などに嫌がらせの電話が行くという不利益)は本人の側でも我慢しなければなりません。

闇金から借り入れをする人の中には「闇金には一円も返さなくていいんでしょ?」「だから一円も返さなくてもいいんですよね」「弁護士(司法書士)さんは法律のプロなんだから依頼すればすぐに請求や嫌がらせを止めさせられるんでしょ?」と思っている人は多いようですが、現実はそうではないのです。

(※前述したように、弁護士や司法書士が電話を入れるだけであっさり手を引く闇金もいるにはいますが、それは弁護士や司法書士が怖いからではなく、その時点で既に貸付元本より多くの返済を受けていてそこで手を引いても損をしないからです)

確かに、闇金からの借入であっても弁護士や司法書士に依頼することによって100%解決することは可能です。

しかし、たとえ弁護士や司法書士に処理を依頼したとしても、一切不利益を受けないで解決できるわけではありませんから、ある程度の不利益は甘受しなければなりませんし、ある程度は嫌がらせを我慢しなければなりません。

弁護士や司法書士に丸投げして何の不利益も受けずに闇金の処理をしてもらえると思うのは大きな間違いですので、絶対に闇金には手を出さないようにしましょう。