闇金に関する犯罪事実一覧表の作成方法と記載例

闇金から不当な請求を受けたり、闇金からの嫌がらせが止まない場合には、闇金の違法な貸し付けについて警察署に申告することも必要になる場合があります。

警察署に闇金の被害相談を行う場合には、闇金からの借り入れや返済、嫌がらせ等について簡潔に説明できるように、「犯罪事実一覧表」という書面に闇金の詳細や取引の経緯をい際して警察署の担当部署(生活安全課)などの提出するのが一般的です。

この「犯罪事実一覧表」は弁護士や司法書士の事務所によって様式が異なりますので、実際に相談する弁護士や司法書士の事務所で配布される一覧表に記載すれば問題ありません。

もっとも、弁護士や司法書士の事務所に相談に行く前に、闇金との取引についてこの「犯罪事実一覧表」を作成しておけば、自分が闇金とどのような取引をしてきたか理解しやすいですし、弁護士や司法書士の事務所で事情を説明する際にも効率的といえます。

そこでここでは、この闇金との取引について記録する「犯罪事実一覧表」の作成方法(書き方・記載方法)について解説してみることにいたしましょう。

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犯罪事実一覧表のひな型

前述したとおり、犯罪事実一覧表は各弁護士や司法書士の事務所によって様式が異なりますが、一般的には下記のような様式が使われているようです。

犯罪事実一覧表
闇金の詳細 名称(屋号)
住所
電話番号
貸金業の登録□ 有/□ 無登録番号       
被害者  氏名
住所
電話番号
契約内容    貸付年月日年 月 日交付額
貸付場所天引額
返済期日年 月 日利率年利   %
特記事項
振込先口座  銀行名支店名
種別□ 普通/□ 当座口座番号
名義人
証拠等□ 振込伝票 □ ダイレクトメール □ 預金通帳
□ その他(         )
取引概要取引年月日受取額  返済額  備考
年 月 日
年 月 日
年 月 日
年 月 日
年 月 日
合計
その他その他特記すべき事項(具体的な被害など)

※適宜、エクセルなどで複製してください。

 

犯罪事実一覧表の記載例

例えば、「東京都大田区〇〇三丁目〇番〇号〇〇マンション〇号室」に居住する「御金刈子」さん(電話番号は090-7777-****)が、電信柱に「即日融資」と記載されて貼ってあったチラシに書かれていた「080-9999-****」の電話番号に電話をし、「2017年7月5日」に5万円の融資を申入れたところ、「ヤマダ」と名乗る人物から、「1週間後の7月12日までに1万円を支払えば1週間返済期日が延長される」という条件で「7月5日」に自分の銀行口座に「5万円」が振り込まれ、「7月11日」に「金1万円」を「ヤマダ」が指定する「ホゲホゲ銀行」「日本橋支店」の「普通預金」「口座番号1234567」「口座名義人 タナカ タロウ」の預金口座に振り込んで返済し、以後「7月18日」「7月25日」「8月1日」「8月8日」「8月15日」「8月22日」にそれぞれ1万円を振り込んだ(一部の返済については振込伝票の控えあり)ものの、それ以降は返済に行き詰って返済できずにいたところ、勤務先に督促の電話が入るようになっているケースの犯罪事実一覧表の記載例は以下のようになります。

 

犯罪事実一覧表
闇金の詳細 名称(屋号) ヤマダ
住所 不明
電話番号 080-9999-****
貸金業の登録□ 有/登録番号       
被害者  氏名 御金 刈子
住所 東京都大田区〇〇三丁目〇番〇号〇〇マンション〇号室
電話番号 080-7777-****
契約内容    貸付年月日20177月 5交付額50,000
貸付場所被害者の預金口座天引額0
返済期日2017712利率年利 1042
特記事項 特になし
振込先口座  銀行名ホゲホゲ銀行支店名日本橋支店
種別 普通/□ 当座口座番号1234567
名義人 タナカ タロウ
証拠等 振込伝票 □ ダイレクトメール □ 預金通帳
□ その他(         )
取引概要取引年月日受取額  返済額  備考
20177550,000
’1771110,000振込伝票あり
’1771810,000
’1772510,000
’178110,000振込伝票あり
’178810,000振込伝票あり
’1781510,000
’1782210,000振込伝票あり
合計50,00070,000
その他その他特記すべき事項(具体的な被害など)
8月22日の以降、家計が苦しく返済していない。

9月に入ってから度々勤務先の会社に督促の電話が入って脅されている。

※赤字で記入しているのは単に見やすくするためです。実際に記載するときは黒色のペンを使用してください。

 

利率の計算方法

なお、闇金からの借入金の利率は「利率(年・%)=利息(円)×365(日)÷日数(日)÷貸付金(円)×100」の計算式で算出することができます。

上記のケースでは、「1週間後の7月12日までに1万円を支払えば1週間返済期日が延長される」という条件で「5万円」が振り込まれていますので、この借入をこの計算式に入れると

「利率(年・%)=利息10,000(円)×365(日)÷日数(日)÷貸付金50,000(円)×100」

となりますから、年間利率は1,042.87…%と算出されます。